大型車 ~第2、第3のブレーキ~
おはようございます!
バス運転士のけんぞ~です(^^ゞ
今回のテーマは…
“大型車のブレーキ”についてです!
バスやトラックの後ろなんかを走っていると、
20〜30㎞/hくらいまでテールランプが付かずに減速…
なんて経験はありませんか…??
それは別に故障でもなんでもなく、
フットブレーキ以外の制動をかけているからなんです!
今回はそんな、
大型車に備え付けられる第2、第3のブレーキをご紹介(*^^*)
運転席左側のワイパー・ウォッシャーレバー。
これをよくよく見ると、
付け根の辺りに“RET”と書いてあるのが分かります。
日野セレガの場合は図の通り、
レバーを下に倒していく程強くなります
「エ、じゃあワイパーはどうやって動かすの?」
普通車はこのレバーを倒すとワイパーですよね、
バスでは、最左のツマミを捻るとワイパーが作動するんですヨ!
~1段・2段下に倒すと排気ブレーキ~
フロントのパネルにこのような(ENG)表示が点灯します。
これは“排気ブレーキ”というもので、
エンジンブレーキをより強力にしたものです!
仕組みとしては、
排気管の中にある可変弁が閉じ、排気圧力を強くするというもの。
2段階に分けてその制動力の強さを変える事ができます!
※排気ブレーキは1段しかない車もあります
~一番下に倒すとリターダー~
先ほど点灯した表示の横に、更にT/Mが点灯。
これは“リターダー”というものです。
日野セレガに付いているリターダーは永久磁石式。
ONの状態でプロペラシャフトに付いている磁石が作用し、
電気抵抗により制動をかけるという仕組みです。
(つまりは磁石の力でブレーキをかけるんです!)
※リターダー未搭載車もあります
~使い分け~
排気ブレーキは説明したように、
エンジンブレーキを強力にしたもの。
大型車に搭載されているディーゼルエンジンは、
構造上エンジンブレーキがかなりひ弱です。
その為、
少しの下り坂やゆっくりと減速したい時には
“排気ブレーキ”にて制動を助けます。
これが山間部などの勾配が激しい道になると重い大型車、
排気ブレーキでは到底間に合いません。
そこで活躍するのが“リターダー”!
近年の車体ではリターダー作動時にはブレーキランプが付く程、
その制動力は大きいものとなっております。
~なんでこんな機能が?~
排気ブレーキ•リターダーが搭載されている理由としては…
前途のエンジンブレーキがひ弱なのに加え、
カンタンに言ってしまうと“重い”からです(^-^;
トランクに荷物がパンパンだったり、
座席が全て埋まっていたりすると
(トラックのフル積載時なんかは特に)
とてつもない制動力が必要となってきます。
それをフットブレーキだけで補おうとしたら…
止まるまでの制動距離が長くなる他、
熱量でブレーキの制動力低下を招き、
結果大事故に繋がってしまいます。
そうならない為にも、
大型車には第2、第3のブレーキが搭載されています!(*^^*)
バスに乗っていて、
運転士が左のレバーをカチカチしていたら実はブレーキ!
路線ではあまり使用されませんが、
是非確認してみても面白いかもしれません(笑)
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